○徳島市文化財保護条例

昭和36年5月30日

条例第21号

(この条例の目的)

第1条 この条例は,徳島市内にある文化財及び天然記念物(以下「文化財」という。)を保存し,かつ,その活用を図り,もつて市民の郷土に対する認識をたかめるとともに文化の向上発展に貢献することを目的とする。

(指定)

第2条 徳島市教育委員会(以下「委員会」という。)は,国または県が指定する以外の文化財で特に保存及び活用の必要があるものについて,次に掲げるそれぞれの文化財として指定する(以下「指定文化財」という。)ことができる。

(1) 徳島市指定有形文化財(建造物,絵画,彫刻,工芸品,書籍,古文書,考古資料,歴史資料その他有形の文化的所産で歴史上又は芸術上価値の高いもの)

(2) 徳島市指定無形文化財(演劇,音楽,工芸技術の保持者及び保持団体等の無形の文化的所産で歴史上又は芸術上価値の高いもの)

(3) 徳島市指定有形民俗文化財(衣食住,生業,民生,信仰,年中行事,娯楽,芸能及びこれらに用いられる衣服,器具,家屋その他の物件で市民生活の推移を理解する有形の資料として価値の高いもの)

(4) 徳島市指定無形民俗文化財(郷土芸能,信仰,年中行事,娯楽等に関する指定保存団体で市民生活の推移を理解する無形の資料として価値の高いもの)

(5) 徳島市指定史跡,名勝,天然記念物(貝塚,古墳,寺跡,庭園,林泉,山岳,動物(生息地,繁殖地,渡来地を含む。),植物(自生地を含む。)及び地質鉱物(特異な自然の現象の生じている土地を含む。)等で学術上,芸術上又は観賞上価値の高いもの)

2 前項の規定による指定のうち同項第1号及び第3号並びに第5号の場合には,あらかじめ当該指定文化財の所有者及び権原に基づく占有者の同意を得なければならない。ただし,所有者又は権原に基づく占有者が判明しない場合は,この限りでない。

3 第1項の規定による指定のうち,同項第2号の場合には,当該指定文化財の保持者又は保持団体(無形の文化財を保持する者が主たる構成員となつている団体で代表者の定めのあるものをいう。以下同じ。)を認定しなければならない。

(一部改正〔昭和46年条例20号・51年31号〕)

(選定)

第2条の2 委員会は,徳島市の区域内に存する伝統的な技術又は技能で文化財の保存のため欠くことのできないもの(国又は県により選定保存技術に選定されたものを除く。)のうち,徳島市として保存の措置を講ずる必要があるものを徳島市選定保存技術(以下「選定保存技術」という。)として選定することができる。

2 前項の規定による選定には,前条第3項の規定を準用する。

(追加〔昭和51年条例31号〕)

(指定等の告示及び通知)

第3条 委員会は,第2条第1項による指定又は同条第3項及び第2条の2第2項による認定並びに第2条の2第1項による選定をしたときは,その旨を告示し,かつ,所有者,権原に基づく占有者,保持者又は保持団体若しくは保存団体の代表者に通知しなければならない。

(一部改正〔昭和46年条例20号・51年31号〕)

(指定等の解除)

第4条 指定文化財又は選定保存技術が次の各号の一に該当するときは,委員会は,その指定又は選定を解除するものとする。

(1) その価値を失つたとき。

(2) 国又は県の文化財又は選定保存技術として指定又は選定を受けたとき。

(3) 本市の区域内に所在しなくなつたとき。

(4) 前各号に掲げるもののほか,特に委員会が必要と認めたとき。

2 無形文化財の保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなつたと認められる場合及び保持団体がその構成員の異動のため保持団体として適当でなくなつたと認められる場合その他特殊の事由があるときは,委員会は,その認定を解除することができる。

3 前条の規定は,前2項の規定による指定及び選定並びに認定の解除について準用する。

4 無形文化財の保持者が死亡したとき,又は保持団体が解散したとき(消滅したときを含む。以下同じ。)は,当該保持者又は保持団体の認定は解除されたものとし,保持者のすべてが死亡し,又は保持団体のすべてが解散したときは,当該指定文化財の指定又は選定保存技術の選定は解除されたものとする。この場合には,委員会は,その旨を告示しなければならない。

(全部改正〔昭和51年条例31号〕)

(所有者の管理義務及び管理責任者)

第5条 指定文化財の所有者は,この条例並びにこれに基づく委員会規則及び委員会の指示に従い,指定文化財を管理しなければならない。

2 指定文化財の所有者は,特別の事情があるときは,適当な者をもつぱら自己に代わり当該指定文化財の管理の責に任ずべき者(以下「管理責任者」という。)に選任することができる。

3 第1項の規定は,管理責任者について準用する。

(全部改正〔昭和46年条例20号〕,一部改正〔昭和51年条例31号〕)

(管理及び保存に関する勧告等)

第6条 委員会は,指定文化財の管理が適当でないため当該指定文化財が滅失し,き損し,又は盗難のおそれがあると認めるときは,所有者又は管理責任者に対し,管理方法の改善,保存施設の設置その他管理に関し,必要な措置を勧告することができる。

2 委員会は,第2条第1項第2号に規定する徳島市指定無形文化財(以下「無形文化財」という。)又は同項第4号に規定する徳島市指定無形民俗文化財(以下「無形民俗文化財」という。)の保存に当たることを適当と認める者に対し,その保存のため必要な助言又は勧告をすることができる。

(全部改正〔昭和46年条例20号〕,一部改正〔昭和51年条例31号〕)

(保存施設の設置)

第7条 委員会は,所有者の同意を得て指定文化財の保存のため必要な施設を設けることができる。

(全部改正〔昭和46年条例20号〕)

(出品及び公開)

第8条 委員会は,指定文化財の所有者に対し,委員会の行なう公開の用に供するため指定文化財を出品することを勧告することができる。

2 委員会は,無形文化財の保持者又は保持団体に対し当該無形文化財の公開を,無形文化財又は無形民俗文化財の記録の所有者に対しその記録の公開を勧告することができる。

(追加〔昭和46年条例20号〕,一部改正〔昭和51年条例31号〕)

(届出事項)

第9条 指定文化財の所有者は,次の各号の一に該当するときは,すみやかに委員会に届け出なければならない。ただし,第1号のうち死亡については,その相続人が届け出るものとする。

(1) 指定文化財の所有者が氏名若しくは住所を変更し,又は死亡したとき。

(2) 指定文化財の所在の場所を変更しようとするとき。

(3) 指定文化財が滅失し,若しくはき損し,又は紛失したとき。

(4) 指定文化財の保存方法を変更しようとするとき。

(5) 指定文化財を譲渡しようとするとき。

2 前項第1号の規定は,無形文化財の保持者,無形文化財の保持団体及び無形民俗文化財の保存団体の代表者又はそれらの相続人若しくは承継人について準用する。

(追加〔昭和46年条例20号〕,一部改正〔昭和51年条例31号〕)

(現状変更の制限)

第10条 指定文化財(無形文化財及び無形民俗文化財を除く。)に関しその現状を変更し,又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは,委員会の許可を受けなければならない。ただし,委員会規則で定める場合についてはこの限りでない。

2 委員会は,前項の許可を与える場合において,その許可の条件として同項の変更に関し必要な指示をすることができる。

3 第1項の許可を受けた者が前項の許可の条件に従わなかつたときは,委員会は,許可に係る現状の変更の停止を命じ,又は許可を取り消すことができる。

(追加〔昭和46年条例20号〕,一部改正〔昭和51年条例31号〕)

(補助金の交付)

第11条 指定文化財の修理,管理及び復旧又は無形文化財の保持者及び保持団体並びに無形民俗文化財の保存団体で,自らの記録の作成,伝承者の養成その他その保存につき多額の経費を要し,所有者,保持者,保持団体又は保存団体が,その負担にたえない場合は,本市はそれらの経費の一部に当てさせるため,予算の範囲内で補助金を交付することができる。

2 市長は,前項の補助金を交付する場合条件を付することができる。

(一部改正〔昭和46年条例20号・51年31号〕)

(補助金の返還)

第12条 市長は,補助金をうけた者が,次の各号の一に該当するときは,補助金の全部又は一部を返還させるものとする。

(1) 申請の目的以外の使途に補助金を使用したとき。

(2) 前条第1項の補助金をうけた文化財を他に譲渡したとき。

(3) 前条第2項の条件に従わないとき。

(4) その他委員会が特に必要と認めたとき。

(一部改正〔昭和46年条例20号・51年31号〕)

(保存のための調査)

第13条 委員会は,必要があると認めるときは,指定文化財の所有者又は管理責任者に対し,指定文化財の現状又は管理の状況につき報告を求めることができる。

(追加〔昭和46年条例20号〕)

(所有者変更に伴う権利義務の承継)

第14条 指定文化財の所有者が変更したときは,新所有者は,当該指定文化財に関しこの条例に基づいて行う委員会の勧告,助言その他指示による旧所有者の権利義務を承継する。

(追加〔昭和46年条例20号〕,一部改正〔昭和51年条例31号〕)

(文化財保護審議会)

第15条 文化財の指定,保存及び活用に関する専門的及び技術的事項を調査審議するため,別に定めるところにより,徳島市文化財保護審議会(以下「保護審議会」という。)をおく。

2 保護審議会の委員は,文化財に関する学識経験者の中から委員会が委嘱する。

3 保護審議会の委員は10名以内とし,その任期は3年とする。ただし再任を妨げない。

(一部改正〔昭和46年条例20号・51年31号〕)

(補則)

第16条 この条例の施行に関し,必要な事項は,委員会規則で定める。

(一部改正〔昭和46年条例20号〕)

この条例は,公布の日から施行する。

(昭和46年3月25日条例第20号)

この条例は,公布の日から施行する。ただし,第10条の規定は,昭和46年5月1日から施行する。

(昭和51年3月31日条例第31号)

1 この条例は,昭和51年4月1日から施行する。

2 この条例による改正前の徳島市文化財保護条例の規定によつて既に指定された文化財は,この条例による改正後の徳島市文化財保護条例の相当規定により指定されたものとみなす。

3 徳島市附属機関設置条例(昭和28年徳島市条例第5号)の一部を次のように改正する。

(「次のよう」は省略)

徳島市文化財保護条例

昭和36年5月30日 条例第21号

(昭和51年3月31日施行)